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「朱の洞窟」装画イラストレーションを制作しました

「朱の洞窟」装画イラストレーションを制作しました

 

「朱の洞窟」装画 / 幻冬舎

 

幻冬舎より発売されている、萬野行子さんの「朱の洞窟」の装画イラストレーションを制作させていただきました。

 

クラスメイトと探検していたら、誰も知らない村に立っていた――。
テレビもゲームも車もない、ここはどこ?

 

 

タイムスリップした小学生の成長を描く心躍る素敵な物語になっています。

 

最初に原稿を読ませていただいたときに、本当に心地よく現実ー超現実の間を漂う空気感に魅了されました。

残念ながら私はもう大人になってしまいましたが、子どものころに読んだら、いろいろな想像力をはたらかせてもっともっと物語の奥深くに入っていけたのに!と思います。

 

子どもの頃は素直に受け入れられたことが、大人になると、

 

「なぜ?」

 

と増えてしまうのが残念なところです。

 

いつもとにかく自由でいたい、違いやユニークさを受け入れていきたい、と思っているのにいつのまにか自分の中に凝り固まってしまっている「既成概念」。こちらがなかなか壊すのに恐れや勇気がいります。子どものころ思っていた、

 

「あんな大人にはなりたくない」

 

という大人になってしまっているような気もします。

 

やばい、やばい、ちょっと待って。と自分に言い聞かせるような、そんな作品でした。

 

 

 

 

 

 

装画制作過程

 

単行本の本は、広げるとこんな風に長ーい横長になります。なのでいつもこの横長をどんなふうにしようか考えるのがとても楽しみなのです。

 

今回はなんといっても、洞窟、小学生たち、うっそうと茂る植物、これらをどんなふうに配置するかがお題でした。

 

いつもはラフを3パターンくらい描くのですが今回はあまりにも時間がなさすぎたので、1パターンだけ出しました。

 

大体の本のサイズとタイトル位置、背表紙、バーコードや文字のところに重要なモチーフがこないようにします。

 

それから小学生7人が全員洞窟の方を向いているのでは絵として面白くないためにいろいろな向きで描くことを想定してみます。

 

一番の左端の猫ちゃんと話してる女の子案は物語と関係なさすぎるために却下となりました、涙。(涙、と書きましたがまったく悲しくはありません。)

 

 

 

線画で描く大まかなレイアウトがokでたら今度は全体のトーンのラフを送ります。先方からは「タイトルを白地で入れたいので周りを暗くしてほしい」との指示がでましたが、タイトルが上の方までいくるのでそこまで黒にするのは難しいな〜と感じました。

 

 

なんか、いろいろ画面をこねこねしているうちに、「暗闇にぼーっと浮絵がるような、そして光が飛び交うような、クリスマスっぽい絵にしたいな」と思ってきました。

 

暗闇に浮きあがる絵、わくわくしませんか、鈴の音が聞こえるような。

 

手前の植物たちの面積は大きいのですが目立たせたいのは奥なので、こちら地味な色になるように調整していきます。植物の蔦をダイナミックに画面にひょろひょろ描いて行くのが楽しい。

 

紙や油絵で描いてるときは最初にきっちり決めてかかないとなんだかよくわからないことになってしまいますが、コンピューターで描く絵は描きながらいろんなことを思ったり、全然違うことをやってみたくなったり、合わせたり引いたり、全く違うものができていくので過程がとても楽しいです。

 

そして完成がこちら。

 

「朱の洞窟」の、朱のうしろに「朱」が来るようにしてもらいました。

 

あー、楽しかった。

 

装画、年々少なくなってきていますが1年に一冊以上はやりたいです!(夢は3冊以上。いや、5冊くらい。。!)

 

 

 

 

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